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育児熱心な父なぜ 八代市の2カ月男児虐待死 頑張りすぎて裏目に? 専門家「支え合うつながりを」

西日本新聞
2008年5月29日
Source: http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/25492

熊本県八代市で生後2カ月の長男を放り投げて死なせたとして、今月14日に傷害致死などの疑いで逮捕された父親の派遣社員早野慎吾容疑者(22)は、「育児に熱心」と評判の若者だった。「なぜ、あのお父さんが…」。周囲に戸惑いが広がる中、専門家は「頑張りすぎたお父さんが挫折し、誰にも相談できないまま、子どもに手をかけてしまったのではないか」と指摘している。 (八代支局・木村貴之)

■「とても良好」

早野容疑者は市郊外のアパートで飲食店アルバイトの妻(20)、長男憂寿(ゆうと)ちゃんとの3人暮らしだった。4月中旬、市保健センターの助産師(44)が生後1カ月乳児の家庭巡回でアパートを訪れた際には、妻は夫が育児に協力的であることを、うれしそうに話したという。

出産後、妻は夜の仕事に戻った。夫は会社に頼んで深夜当直のない日勤に変えてもらった。夜、長男の入浴や授乳、おむつ替えなどを進んで引き受けた。助産師は巡回記録に育児状況が「とても良好」を表す「++(ツープラス)」と記した。

夫の育児ぶりは職場でも有名だった。妻が妊娠中の同僚の男性(21)は、早野容疑者から助言を受けた。「子育ては夫婦で協力するものだ」と。

■「泣き声が…」

八代署の調べによると、長男への虐待は助産師の訪問からほどなくして始まったという。

動機は「夜、泣き声がうるさくてイライラした」。泣きやませようとしたがうまくいかず、妻が仕事でいない間、憂寿ちゃんの顔にこぶしを押し付けたり、胸を指で強く圧迫したりするようになった。虐待は次第にエスカレートし、最後は自宅の板張りの床に投げつけたとされる。

今月3日夜、早野容疑者によって病院に運ばれた憂寿ちゃんは約2時間後に死亡した。おでこやほお、おなかには、新旧の内出血痕が重なったようなあざがあった。同署の調べに早野容疑者は「あざは皮膚病」と説明したという。しかし、司法解剖の結果、憂寿ちゃんは頭の骨が折れていたことが判明。早野容疑者は床に投げつけたことを認めたという。

■理想を求めて

育児問題などに詳しい東海大学の山下雅彦教授(教育学)は「若い親は理想を求める傾向が強く、子育ても完ぺきに近づけようとする」と指摘。それだけに一度つまずくと挫折感は大きく、手を差し伸べる人がいなければ、挫折は虐待へとつながりかねないという。

早野容疑者と妻の実家はともに熊本県内にあるが、実家に里帰りすることはまれだったという。早野容疑者の勤務先の上司は「自分たちだけで子どもを育てたいという意識が強く、それが裏目に出たのではないか」と肩を落とす。

山下教授は「虐待は育児に消極的な家庭だけでなく、積極的な家庭でも起こり得る。核家族時代、育児家族を支え合う人的つながりや、行政の子育て支援制度の見直しも急務だ」と訴える。

葬儀では泣き崩れたという早野容疑者。憂寿ちゃんのあざを「皮膚病」と言っていた夫を信じていた妻は、虐待に気付いてはいなかったという。

=2008/05/29付 西日本新聞夕刊=


虐待死:2カ月の長男を床に投げつけ…父親を逮捕 熊本

毎日新聞
2008年5月15日
Source: http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080515k0000m040129000c.html

熊本県警八代署は14日夜、生後2カ月の長男に暴力をふるって死亡させたとして、同県八代市高島町、派遣社員、早野慎吾容疑者(22)を傷害致死などの疑いで逮捕した。容疑を認め「泣き声にいらついてやった」と話しているという。

調べでは、早野容疑者は5月3日午後9時10分ごろ、自宅で長男の憂寿(ゆうと)ちゃんを板張りの床に投げつけるなどして、頭蓋骨(ずがいこつ)骨折などで約2時間後に死亡させた疑い。ぐったりしたのを見て、自分で市内の病院に連れて行き、その後、転送先の病院で死亡が確認された。異常に気付いた医師が警察に通報した。

早野容疑者は4月下旬ごろから、憂寿ちゃんの顔に拳を押しつけるなどの虐待を繰り返していた。妻と3人暮らしだが、妻は虐待に気付いていなかったという。【伊藤奈々恵】

毎日新聞 2008年5月14日 21時22分



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 最終変更: May 31, 2008 Copyright © 2003-2006 お問い合わせ、どうぞ