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世論の法廷で正義のために戦う

Julian Satterthwaite / 編集部記者
読売新聞(Daily Yomiuri)
2005年12月3日
ソース: http://www.yomiuri.co.jp/dy/features/scene/20051203TDY12002.htm

日本語翻訳:CRNジャパン

日本政府や法的機関が親による子供の誘拐問題に対応できない、またはするつもりがないのであれば、個人レベルで行動を起こすしかない。かつて世界のあちこちにケースが点在し、その被害者同士がお互いに知り合う術もなく、ましてひとつに団結することはいうまでもなく困難であった。しかし今日、運動家には情報をひとつにまとめ、ケースを公表して圧力をかけるという新しい対抗手段がある:ウェブサイトである。

「もちろん、私もすぐに裁判に訴えられることはわかりましたが、多大な年月と数千万円をかけて結局何も得られないだろうということもわかりました。今まで誰一人として裁判で勝った人はいないのです。」取り残された父親で、運動家のスミス・マークは、在住先の北京から電話でのインタビューでこう答えた。

その代わりに、スミスは自身の長所を生かすことにした。「私の職業はソフトウェアのエンジニアなので、自分が熟知していることから手がけました。ウェブサイトを作ってこの問題について語り、できれば世界中の人々の認識を高め、同じ問題を抱えた人が私と同じ体験をしないように支援するのです。」と彼は言う。

日本の子供の人権ネットワークのウェブサイト(www.crnjapan.com)は今では、外国から日本へ、及び国内での子供誘拐問題に関して、際立った英語表明のキャンペーンのひとつである。より広い範囲を包括する組織、Children's Rights Council (www.crcjapan.com)と並んでこれらのサイトの役割のひとつは、このような誘拐の問題は決して孤立したケースではなく、むしろ組織的問題の一角であることを示すことである。

スミスによると、彼のメーリングリストにはおよそ125人の取り残された親が登録されており、そのほとんどは男性である。また、他の情報機関からも数多くのケースが確認されている。National Center for Missing and Exploited Children(米国バージニア州の子供を連れ戻すための非営利団体)には、アクティブな日本への誘拐事例が22件登録されていると、国際部ディレクターのJulia Alanenは言う。

ここで明白なのは、ほとんどの誘拐者は女性だということである。スミスの持つ、連れ去られた子供を捜す親のリストに載っている女性の数は、ほんのわずかである。世界的に見ても、NCMECによると、犯行者の数は女性のほうが男性よりも2倍以上も上回ると言う。

また、CRNジャパンウェブサイトは、親による子供の誘拐問題に関する情報やアドバイスが得られるワンストップショップの役目も果たすが、多くの父親がスミスと同じ状況にいる中、どんなアドバイスをしたらいいのか判断するのは難しいという。

「本当に大変です。がっかりさせないように伝えるのは本当にむずかしいですから。私自身、たった1件、子供を連れ戻せたケースを知っているだけですから。」と彼は言う。

彼にできることといえば、同じ状況にいる父親に、親であることの証明に必要な全ての書類手続きの確認や、親切な弁護士を紹介したりすることである。後はとにかくその状況について話し合うため、間違いを犯したパートナーを説得するという問題である。しかしここでもウェブサイトが役に立つ。

スミス自身のパートナーが最近になって、彼女のケースがウェブサイトに掲載されていることに対して苦情を言うため、連絡をとってきた。確約はできないかもしれないが、少なくとも公表による圧力によって、3年間も音沙汰のなかった彼女とのコミュニケーションをとる道を再び開くことができた、とスミスは言う。

行政機関の援助なしでは、親個人や運動家に勝ち目はまだ少ないが、少なくともウェブサイトの威力によって、完全に負けということにはならないかもしれない。

(2005年12月3日)


このウェブサイトの情報は公共の利益に関するものであり、 置き去りにされた親の持つ問題について一般の認識を高めるために、 啓蒙と情報提供を目的としています。特に明記のない限り、 このウェブサイトのライター及び翻訳者は、弁護士でも翻訳の専門家でもありません。 重要事項に関してはご自分の弁護士にご確認ください。
 最終変更: March 19, 2007 Copyright © 2003-2006 お問い合わせ、どうぞ