別居中の子を連れ去り、父親でも犯罪成立 最高裁決定

朝日新聞

2005年12月09日

Source: http://www.asahi.com/national/update/1208/TKY200512080372.html

 

 別居中の妻のもとから子どもを連れ去ったら未成年者略取罪が成立するかが争われた事件の上告審で、最高裁第二小法廷は6日付の決定で、「父親だからといって違法性はなくならない」と結論づけた。だが「情愛から出た行為なのに……」との異論も出た。

 問題となったのは、別居中の妻と暮らしている2歳の長男を、東京都内に住んでいた夫が自分のもとに置こうと思い、青森県八戸市の保育園から帰る途中で後ろから抱きかかえ、車で連れ去った行為。一、二審は懲役1年執行猶予4年とした。

 第二小法廷の多数意見は、連れ去り方が乱暴なことなどから「家族間の行為として許される範囲ではない」と判断し、夫の上告を棄却した。

 だが、滝井繁男裁判長は「夫婦間の紛争に、刑事司法が介入するべきではない」と反対意見を述べ、「違法性はない」と主張。今井功裁判官は「連れ去りが許されたら、話し合いなどで円満解決を図らなくなる。たとえ情愛からでも、特段の事情がない限りは違法性はなくならない」と補足意見を述べた。