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いじめ対策:「抜けない宝刀」 出席停止に疑問の声
毎日新聞 文部科学省がいじめ対策に掲げていた「いじめた小中生の出席停止処分」は、沖縄と埼玉県以外でほぼ空文化していた。「抜けない伝家の宝刀」の指摘を裏付け、各地の教育委員会の担当者から「適用を求められても現場は戸惑うだけ」などと疑問と批判の声が続出した。【まとめ・竹中拓実】 適用しない理由に「そこまでのいじめがなかった」と公式見解を述べる一方、匿名で「効果」への疑問を語る担当者が多かった。 大分県教委幹部は「やってみないと分からない面もあるが、学校から追い払うことが本当に有効か」。栃木県教委幹部も「大きな声では言えないが保護者に問題がある場合が多く(自宅謹慎は)教育面で問題がある」と心配な点を語った。 「義務教育である以上おいそれと取れる措置ではない。現実的でない部分がある」(和歌山同)とする声もあった。 適用にあたっての困難さは多くが指摘した。 いじめは被害・加害者だけでなく、はやし立てる子、傍観者がいる。「この4層構造の中でどこまで対象にするか認定は困難」(山形同)▽「立場がころころ入れ替わるのが日常茶飯事で加害者特定は非常に難しい。無視の場合、クラス全員を出席停止にするわけにはいかない」(山口同)などと語り、国に詳細な基準設定を求める意見が続出した。 親を納得させる難しさもある。「保護者に『なぜ』と言われた時、相当の理由がないと説明がつかない」(富山同) 政府の教育再生会議は先月29日、出席停止の文言掲載を見送り、代わりに「毅然(きぜん)とした対応」を掲げ、社会奉仕や別教室授業を例示した。「否定できる内容ではないが、白黒はっきりしないいじめの場合、適用基準を明確にするのがなかなか難しいのでは」(名古屋市教委幹部)との声が出た。 こうした実態や声について文科省児童生徒課の木岡保雅課長は「実効性がないことを言ってきたつもりはない。確かに義務教育で『(学校に)来ないで』と言うのは先生もつらいところがあるんでしょうが、周りのお子さんが困るのであれば、(出席停止処分を)使わなければならない」と話した。 毎日新聞 2006年12月4日 3時00分 出席停止、「いじめ」で適用わずか…基準不明確の声も
読売新聞 深刻ないじめや暴力をする児童・生徒に、教育委員会が行うことが出来る「出席停止措置」が、いじめのケースではほとんど適用されていないことがわかった。 中学校の場合、1996年度から10年間に行った出席停止464件のうち、いじめを理由にした措置は24件しかなかった。教育再生会議が29日に公表した「いじめ問題への緊急提言」では、「出席停止」を明記しなかったが、いじめた子への指導を徹底するよう求めている。しかし、学校現場からは「出席停止の基準が不明確で、簡単には出来ない」などの声が上がっている。 公立小中学校では停学、退学処分が出来ないかわりに、学校教育法で、ほかの児童・生徒に繰り返し心身の苦痛を与えた子供などについて、学校の判断に基づき、区市町村の教育委員会が出席停止の措置を行えると定めている。 しかし、85年度に137件だった出席停止措置の件数は、年々、減少傾向が続き、ここ数年は、毎年ほぼ20〜50件で推移。特に、いじめを理由にした出席停止は過去10年間のうち6年間でゼロだった。昨年度も、中学校の出席停止42件中、教師や同級生などへの暴力が29件を占め、「いじめ」は7件しかなかった。 出席停止措置に関してはこれまでも、中央教育審議会が98年、「校長の判断で、出席停止の措置をとることもためらうべきではない」と答申したほか、教育改革国民会議も2000年に、同様の提言をしている。 特にいじめについては、文部科学省が2001年の通知で「いじめも出席停止の対象」と示したが、その後もあまり適用されていないのが実情だった。 その背景について、東京都内の中学校長は「いじめは、教師の目の届かない場所で行われることが多いため、被害者からの訴えがあっても、加害生徒の保護者に対し、出席停止にする根拠を示せない」と話す。 都内の小学校長も「出席停止の具体的な基準がない」とし、「出席停止にすれば、『学校側の指導力が足りない』と逆に非難されることもあり得る」と説明する。 出席停止になった生徒の居場所も整備されておらず、教育再生会議の委員からは「学校に復帰させるプログラムが必要」との指摘もある。中学校長は「いじめた側への指導は必要だが、出席停止措置をとるための環境整備についての議論も進めてほしい」と訴えた。 (2006年11月29日14時42分 読売新聞) |
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